耐震基準はあくまでも目安です
建物の耐震基準をご存知ですか?
建物の耐震基準は大まかに「旧耐震」「新耐震」(1981年・昭和56年)に分かれ、木造住宅の場合「2000年基準」により耐震性を大きく向上させる改正がなされました。
新耐震とは「震度6強~7で揺れても、中の人が死なない(あくまで最低基準)」
「震度7で必ず耐えるというわけではない」
「地盤の影響は考えていない」
熊本地震のような「複数の震度7は想定外」
というものです。
この基準で建てられた建物であれば必ず安全性が確保されるかというとそうではなく、壊滅する可能性が低いということにとどまります。事実、耐震基準が強化された住宅は地震の被害も少ないことは実証されていますが、大破している家も少なからずあるのもまた事実です。
たとえば、阪神・淡路大震災の建設年次別の被害状況は以下のようになっています。
・被害を受けた建物は昭和56年(1981年)以前の
基準で建てられた古い木造建築
・特に昭和47年以前に被害が顕著
・昭和57年以降の建物は軽微な被害
しかしながら、2016年4月14日、16日に発生した熊本地震では「2000年基準」、「耐震等級2」で建てられた住宅も倒壊しました。
向かって左の住宅Bは「2000年基準」、右の住宅Aは「耐震等級2」です。
耐震等級を知っていますか?
上の写真にも「耐震等級2」という表示がありますが、耐震性能は、「耐震等級」という指標で大きく3段階に分かれます。数字が大きくなるほど耐震性が高まります。
性能表示等級 | 性能等級の概要 |
---|---|
等級3 | 建築基準法の1.5倍の建物の強さ |
数百年に1度程度発生する地震力の1.5倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度 | |
等級2 | 建築基準法の1.25倍の建物の強さ |
数百年に1度程度発生する地震力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度 | |
等級1 | 建築基準法レベルの建物の強さ |
数百年に1度程度発生する地震力に対して倒壊・崩壊しない程度 |
※国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において、構造耐力や省エネルギー性、遮音性などの住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」による分類より